2010年02月26日

Techno - the Dance Sound of Detroit

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ホアンアトキンスが命名しデトロイト発のサウンドとしてテクノが注目されたきっかけとなったのは、イギリスで88年に発売された「Techno - the Dance Sound of Detroit 」がきっかけだった。ヴァージンの傘下のレーベルが発売し、デリックメイが監修したこのコンピは、当時のデトロイトテクノの空気感をパッケージしたもので、当時、アシッドハウスフィーバーで盛り上がっていたシーンに一石を投じ、後にテクノのブームを築くこととなった。

このアルバムのトラックリストは以下の通り。

Track Listing:

01 Rythim Is Rythim - It Is What It Is (6:41)
02 Blake Baxter - Forever And A Day (5:36)
03 Eddie 'Flash' Fowkes - Time To Express (5:41)
04 K.S. Experience - Electronic Dance (6:36)
05 Members Of House - Share This House (Radio Mix) (4:22)
06 A Tongue & D Groove - Feel Surreal (6:55)
07 Mia Hesterley - Spark (6:09)
08 Juan - Techno Music (5:41)
09 Inner City - Big Fun (7:39)
10 Blake Baxter - Ride 'em Boy (6:26)
11 Shakir (Shakir) - Sequence (5:20)
12 Idol Making - Un, Deux, Trois (6:05)

発売から、20年経過しているレコードだが、今でも活躍しているプロデューサーが数多くいることは驚きに値する。中でも11曲目に登場するShakirは、デトロイトテクノの第1世代に属する人物で最近はオランダのデトロイトフォロワーのレーベルでもあるRush Hourからもベスト盤が出るなど、再評価が進んでいる。彼の作品は地味ではあるが、その機能性はテクノのトラックがツールとして機能することを考えると実に重宝するプロデューサー。ホアンアトキンスなどとも共作するなど、地味ながらもいい仕事をしているといえばいいでしょう。




また、デトロイトよりもシカゴハウス的なジャックな声ネタのサンプルで一世を風靡したのがBlake Baxter。彼はもともと、DJ Internationalからデビューし、後にケヴィンサンダーソンのレーベルKMSからリリースするなど、ハウスとテクノの境界線をまたぐように曲によって作風がかなりかわるタイプのプロデューサー。本国よりもドイツでの評価が高く、テクノの名門レーベルTresorやDisko Bからアルバムをリリースするなど、個人的にもシカゴハウスの系譜も感じさせる人であります。




他にも現在はディープハウス風の曲が多いEddie 'Flash' Fowkes のトラックが収録されているなど、デトロイトテクノとハウスがお互いに交配しあって発展してきた時代が垣間見える内容であります。






posted by nizimasu at 21:58 | TrackBack(0) | TECHNO

2010年02月25日

デトロイトオリジネイター ケヴィンサンダーソン

デトロイトオリジネイターの中でもハウス色が最も強かったのがケヴィンでした。



3人のオリジネイターの中でもいち早く、Innner City名義でヒットを飛ばして以降は歌もののハウス中心の活動で一世を風靡しました。しかし、そのサウンドはやはりデトロイトテクノの影響下にありまして、代表曲の「good Life」のシンセリフはやはりデトロイトそのものであります。

その後、90年代後半から歌ものからはなれトラックものを量産。数年前にDJを聞いたときもまさにデトロイトな芯の強いテクノを披露していました。



テクノというとインストのイメージが強いですが、歌ものの系譜もありまして、Octave OneのBlack Waterなんかがクロスオーバーヒットするのもケヴィンの存在抜きには語れないと思います。



Innner Cityのブレイクからしばらくは人気だったケヴィンもご多分に漏れず契約問題に悩まされ(特に初期のデトロイトのプロデューサーは大手レーベルとの契約でずいぶんだまされている)不遇の時期もあるが、その時期に前後して発売されたのがカールクレイグのレーベル「planet e」から発売されたベスト盤。これが歌ものだけでない、彼の全貌を知るには最適の入門盤。特に90年代後半にかけてかなりの量のリリースをしているだけに、これだけでも彼の非凡なる才能を感じ取れるでしょう。
posted by nizimasu at 12:14 | TrackBack(0) | TECHNO

デトロイトオリジネイター デリックメイ

前にも紹介したデリックメイといえば、代表作である「strings of Life」はマネーの虎のテーマ曲になったり、ハウス界隈でもDefectedがリバイバルさせたりと未だに人気のあるアンセム。当然、80年代のイギリスでもセカンドオブサマーラブを代表するアンセムとしてどのパーティでもクライマックスに流れていたほどだった。



デリックメイは前に書いたホアンアトキンスと同級生で音楽の知識などを吸収。トラック作りを始める。そこで彼が影響を受けただけでなく当時、シカゴではやっていたハウスにも傾倒。そうした影響が「Strings of Life」にも反映されている。



また、デリックの活動はホアンから受け継いだTransmatというレーベルに様々な才能をピックアップしたこともまた後にデトロイト第2世代といわれるプロデューサーを多数輩出することになる。ヨーロッパでクローズアップされたデリックのレーベルメイトに注目するのは至極当然で、Transmatはその後、レーベルの契約に縛られ活動休止を余儀なくされるが、今度はデリックはハウスとは違うヒップホップの流れを汲んだミックステクニックでテクノフリークの度肝を抜く。



2枚使いやカットイン。トランスフォーマなどを巧みに利用したミックスは、彼のDJのオープニングを聞けば必ずフロアで興奮するに違いない。それは唯一無二のミックスであるが、また数多くのフォロアーを生み、テクノをハウスと差別化することに成功することにもなる。



だがデリックが出したオリジナルアルバムはわずか1枚。活動再開したTransmatもリリースが沙汰止み。今後はようやくプロデューサーとしても活躍が期待だれるのだが…。
posted by nizimasu at 10:49 | TrackBack(0) | TECHNO

2010年02月23日

デトロイトテクノのゴッドファザー「ホアンアトキンス」




 テクノを語る上で欠かせないのがデトロイトテクノの立役者であるホアンアトキンスであろう。彼はアルビントフラーの「第3の波」にインスパイアされ、自身の作るフューチャリスティックな音楽をテクノと定義した。そしてその音楽は、同じ高校に通っていたケビン・サンダーソンとデリックメイにも機材の使い方からP−Funkにも連なるような未来志向の思想に至るまで受け継がれ、後にデトロイトテクノ第1世代として、80年代から90年代に爆発的なテクノブームを牽引していくこととなる。




 しかもホアンアトキンスが初めてのリリースは81年。テクノとハウスはイギリスに同時期に入りブームとなったこともあり、共通点が語られることが多いが、一般的にハウスの最初のリリースとされるジェシーサンダースの「ON&ON」が82年。ホアンのサイボトロン名義でのリリースが81年とほぼ同時期に制作されている事がわかる。くしくも時代は、エレクトロが勃興した頃と重なり、エレクトロとハウスのエレメンツに、マシーンビートはデトロイトテクノの特徴と精神を体現しているのが彼の音楽といえよう。
 彼の代表作のひとつで、後にミッシーエリオットにサンプリングされる「Clear」はエレクトロビートに不穏な上モノが素晴らしいエレクトロクラシックでもある。




 また、意外にもハウスとも相性のいい作品も少なくない。最近、ドイツの名門「TRESOR」からリリースされ日本でもライセンス盤の出たベスト盤にはまさに、彼の作品の幅広さを表す内容で、デトロイトのアーティストでここまで幅広い作品をリリースしているまさにテクノのゴッドファザーにふさわしい存在感。そして遂にライブも始めるなどますます活動もアクティブで健在ぶりを発揮している存在だろう。





 以前に今はなきイエローで、DJを堪能したときもオープニングがYMOのコンピューターゲームでその後もハウス全開だったことを思い出され、日本では過小評価されていますが、今後、ますます再評価されるのではないでしょうか。
posted by nizimasu at 18:42 | TrackBack(1) | TECHNO

2010年02月16日

Wipeout XLと攻殻機動隊



90年代のテクノブームはゲームにも波及した。中でもソニーが発売したプレイステーションは、テクノをBGMに利用したゲームを発表するだけでなく、当時では珍しいサントラまでリリースして話題となった。

中でもソニーレーシングゲームの金字塔でもある「Wipeout」シリーズの「XL」のサントラはその面子たるや豪華というほかない。

いきなりFuture sound of Londonから始まり、テクノバンドとしてアンダーワ−ルド以前から活躍していたFluke。そしてケミカルやプロディジーにDaft Punkまで収録しているあたりは、気合いの入りようが違います。レーベルもCreamのコンピなどを出していたAstralworksなのでうなづけます。

他にもPhotekやSource directなどのドラムン勢も入っていてテクノというより後のビックビートとも共鳴するコンピであります。



一方、このアルバムから1年後の97年にソニーが満を持して出したのが攻殻機動隊というゲーム。しかもオープニングのトラックを卓球が作っていたりデリックメイの新曲があったりとこちらもソニーが気合いを入れてテクノをプッシュしていたのが伺える名盤です。

さすがにこの頃になるとテクノのミニマル化が進んでいまして今聴いてもストイックなサウンドは一聴の価値ありでしょう。

80年代後半から90年代中盤まで拡散していったテクノの一つの潮流としてのミニマルがこの頃になると大ブームとなっていくのが確認できる盤といっていい。

90年代の日本のテクノブームを考えていく上でやはりソニーというレーベルの果たした役割は大きいですね。最終的にはソニーアメリカのURのJaguarの盗作騒動で、かなりソニーのスタンスについては疑問が浮かぶのですが…。それはまた改めて。
posted by nizimasu at 21:30 | TrackBack(0) | TECHNO

2010年02月14日

電気グルーヴのテクノ専門学校 その2



さて、続きですが93年といえば、イギリスではアシッドサウンドが流行した時期だけに、Vol.2ではその辺りの音もフォローしています。

アシッドサウンドとはHardFloorが有名ですが、RollandのTB-303のシンセベースの音でありまして、ビギビギとさながらギターとも違いますが、あがるサウンド。その後、トランスがテクノから分化していく中で非常に多くの曲で使われていく手法です。

トランス当時からギターリフなんかを取り入れていてロックと相性がいいのもアシッドの影響が大きいとこの頃の曲を聴くと改めて感じます。

そして2曲目はAFXの代表作でもあるディジリドゥー。オーストラリアのアボリジニが使う楽器をモチーフにしたハードテクノでトライバルな曲のイメージといい、まさにクラシックといえる作品。

特にVol2ではベルギーの老舗レーベルでKen IshiiなんかもリリースしていたR&Sの作品も収録していて、いわゆるアルバムもリリースしているテクノのレーベルの中でも主要なレーベルを網羅していると行っていい内容でクオリティ的にも問題なしの傑作であります。

そしてVol3は現在でも活躍しているアーティストの作品が聴ける貴重盤。オープニングがリッチーホーティンの別名義の作品。ここでもTB-303全開のライドシンバル炸裂という何とも横道なアシッドトランスでありまして最高です。さらに2曲目にはエナジーフラッシュなどR&Sを中心に人気となったJoey Beltramのトラック。こちらはその後のミニマルにも繋がるような内省的なシンセリードとSEがありますが、かなり呪術的な音でフロアで聴いたらはまりそうな音であります。

で、3曲目がカールクレイグの別名儀69。この頃は今のようにジャズな方向にシフトせずにまだフロアー直球な音を作っていまして、デトロイトからミニマルへ移行する端境期のような音。

他にもドイツのサンエレクトリックやトーマスフェルマンなんかも収録されていまして、まさに今後のテクノの広がりを感じられる内容。

この後90年代後半から顕著になるミニマルに展開していくテクノの現場の音を知る上でこのシリーズが果たした意味は大きいなと再確認しました。
posted by nizimasu at 23:51 | TrackBack(0) | TECHNO

電気グルーヴのテクノ専門学校 その1

突如、気になって全部集めたらものすごい値崩れを起こしていましたが、今聴いても色あせません。素晴らしい名盤であります。





日本にテクノを広めた功績でいえば、オールナイトニッポンなどでテクノを流していた卓球な訳で、しかも日本盤としてはほぼ最初にリリースされたテクノのコンピがこの「テクノ専門学校」シリーズであります。

そのブックレットには当時、ele-kingの編集長だった野田努氏が関わり、FROGMANのKEN→GOの解説があったり、別冊ele-kingの雰囲気もあるコンピ盤。毎回、野田氏と卓球の解説対談があるが、二人で曲の解説を分担しながら交互にしているという文章はまさにele-king読者だったワタクシには懐かしくぎっくりと読めてしまいましたさ。

そんなことはさておき、コンピとしても内容は保証付き…という前にテクノを広めようという心意気からおまけも凄い。Vol1ではWARPとRiging Highの缶バッジ。Vol3ではAFXのステッカーにわざと梱包用のプチプチが入っていてさながらplastikmanのアシッドペーパーのフェイクを入れていた遊び心を感じさせます。

くしくもこのCDがリリースされた94年は前年にまたもやテクノがイギリスで盛り上がった時期でその勢いそのままに、フロアだけでなくアンビエントやインテリジェントテクノなんかも網羅していて実にかゆいところに手が届く内容であります。

テクノは元々、ハウス誕生後にデトロイトでデトロイトハウスの系譜から誕生した音楽。それがイギリスに渡り、88年のセカンドオブサマーラブと後に名付けられるエクスタシーを摂取してハウスミュージックで踊り、世の中の不満をやり過ごすライフスタイルと結びついて爆発的な人気を博した。

その後、デトロイトテクノに影響を受けたイギリスやドイツ、ベルギーなど世界各国でテクノが作られ、その定義も拡散していったという流れの中で、このテクノ専門学校が日本初のコンピとしてリリースされた意義は大きいと思うのだ。

で、第1弾がその当時、ジャンルでいえば、ハウスからテクノ、ブレイクビーツテクノといわれていたジャングルにアンビエントまでリリースしていたイギリスのRising Highとシェフィールドを拠点に昨年は20周年のイベントを幕張で行ったWarpの音源を紹介している。

特にWarpはまだインテリジェンステクノのみならずとフロア向けの作品も量産していた時期だけにAndrew Weatherallのユニットやビヨークのツアーにも参加しているマークベルのユニットLFOのトラックがあったりかなりユニーク。当時のハード主体の輪郭の強いテクノ作品は今聴いても迫力があります。
posted by nizimasu at 21:51 | TrackBack(1) | TECHNO

2010年02月10日

Derrick Mayの新ミックスCD




久々に出たと聞いてさっそく購入。冒頭がいきなり女の子の笑い声と3曲目あたりまでがまさにデリック節全開のテクニックでガンガントリックを決めていく。

そこからいつものようにスムーズなミックスにつながるあたりはさすがデリックであります。

中盤はハウスやミニマルもありまぜて、リスニングも意識していますが後半になるとまたグイグイと疾走感を盛り上げてゆきます。

さすが待っただけの甲斐はある作品です。

デリックのDJの素晴らしさはいうまでもないのですが、過去に出たMIx−Upシリーズのデリックはまさに90年代後半の最高峰のDJでありまして、このシリーズは自分のDJの時の目標でもあるほどのファンキーさ。今聴いても色あせません。





他にもジェフミルズの超絶なミニマルや卓球にTanaka FumiyaにKen Ishiiという当時、ソニーが気合を入れてテクノをプッシュしていたのが窺えます。

ちなみに日本盤はすべて故小松崎茂先生のイラストでしたが、海外盤ではデリックの作品はMayday Mixとして、ジェフミルズはリキッドルームのライブ盤として売られていました。





いずれも名盤。テクノ好きならはずせないミックスCDのシリーズです。と話がまた飛びましたが…。
posted by nizimasu at 18:19 | TrackBack(0) | TECHNO