2016年05月06日

2016年4月の読書

2016年4月の読書メーター
読んだ本の数:23冊
読んだページ数:5791ページ
ナイス数:153ナイス

スーパーゴッズ アメリカン・コミックスの超神たち (ShoPro Books)スーパーゴッズ アメリカン・コミックスの超神たち (ShoPro Books)感想
今月はこの大著に随分時間がかかりましたが充実の内容。DCコミックスのライターを務める著者が調べあげたアメコミのヒーローものの歴史の概説でありスコットランド出身ならではの80年代に起きたイギリスのライターによるアメコミの作品群のブームについても言及していて日本にはなかなか伝わりにくいアメコミの歴史を知る上では第一級の資料でもあります。どうしてもDC出身なのでバットマンなどの話題が中心だが作画と脚本が分業になっているアメコミの世界をライターの変遷で捉えていてこれこそ映画監督で楽しむ映画と近いものがあったと実感
読了日:4月29日 著者:グラント・モリソン
覚えない記憶術覚えない記憶術感想
前著の読んだら忘れない読書術をバージョンアップさせた内容でむしろ記憶するには事前の準備が大事という点を強調したり、ストレスコーピング的なメンタルやコンディションをパフォーマンスがいい状態に維持しながらインプットしていきましょうという内容がほとんど。結局、記憶の焼き付け方などはそれほど大きく変化するものではないだけにより汎用性の高い解説にしたというところか。個人的にはこの一連の作業は時間がかかるからより時間の管理術が大事になっていくのではと思うばかりです
読了日:4月28日 著者:樺沢紫苑
読んだら忘れない読書術読んだら忘れない読書術感想
前半と後半にある読書の効用とか本の選び方は外山滋比古先生とかの方がためになるから蛇足。本のタイトルにある忘れない部分ではメモやマーカーをひいて記憶に定着させる。しかも1週間に3回アウトプットを含めてするというのは納得。以前にみらじゅんさんも「記憶に定着させなくちゃ」といそいそとメモをとっていた感覚と一致する。しかもわくわく感をもって読書するというのはちょっと難しいと思うのだが「モノより思い出」よろしく旅するように読書をすればいいというのも至極真っ当だ。読書の冊数を減らしつつある現状だけに気づきも多かった
読了日:4月28日 著者:樺沢紫苑
京都のツボ  識れば愉しい都の素顔京都のツボ 識れば愉しい都の素顔感想
以前にも著者で京都在住の柏井さんの本は読んだがかゆいところに手が届くというかどこか覗き見趣味的に京都の知られざる一面を紹介してくれるのがいつも楽しい。おばんさいが京都の家庭料理の質素なありようだという話や直裁的な表現を避ける京都人のコミュニケーションのありようなど本当に面白い。しかも鍾馗さまと鬼瓦が向かい合わせにならないように屋根に配置する(お互いに邪気をはねつけあうかららしい)とかちょっとした古の都ならではのエピソードも微笑ましい。今ちょっと京都への興味が薄れているからまた盛り返したら読み直そうと思う本
読了日:4月27日 著者:柏井壽
江戸の健康食: 日本人の知恵と工夫を再発見江戸の健康食: 日本人の知恵と工夫を再発見感想
小泉先生の本なのでゲテモノや発酵食品の紹介と思いきや今回は至って真摯に江戸時代の食生活とその知恵を探求しています。結構今の日本の食生活にも残っている天ぷらやソバの効能だったり甘酒が夏の暑さを乗り切るための栄養食品だったりとか目から鱗の話も多い。中でも印象的なのがクジラの様々な食べ方や部位の頂き方などを解説しているページで日本人の食文化の中で実に固有の文化遺産としての意義が大きいなあと思うばかりでこの手のグローバルスタンダードにあわせるがあまりに消え去っていく食べ物があるというのも理不尽な気がします
読了日:4月27日 著者:小泉武夫
故人サイト故人サイト感想
故人サイトというタイトルがインパクト絶大。このタイトルでぱっと気づいたのが「32歳ガン漂流レボリューション」という著書が単行本化した編集者の奥山さんだったけどその範疇は広い。しかしブログだったりネット上のログというのは果たして死後どうなるのかというのは大きな問題で本でも紹介されているブログのいくつかをのぞいたがスパムなどで荒れ果てているものもあれば、管理人がいてそのまま存続しているものもある。故人の記録って本人の遺言でもあればいいのだが事故死したブログとか読んでいてい悲しくなる。すごく色々考えさせられた
読了日:4月27日 著者:古田雄介
KISSジーン・シモンズのミー・インクKISSジーン・シモンズのミー・インク感想
KISSのジーンシモンズがビジネス書を書いているというだけでも興味津々で手に取る。中身はどちらかというとセルフヘルプ的な内容だけどイスラエルから移住してきて身を起こしていくというアメリカンドリームの体現者でありセルフプロデュースの手法についても述べていて小難しいビジネス書よりも遥かにためになる内容ではないか。それでもあくまで成功するまでは節約せよとか恋愛や家族よりも仕事を優先しろというのは彼の持論を読み進めるうちに納得するから素晴らしい。しかもリアリティ番組にも出ていたエピソードも微笑ましくDVDで観たい
読了日:4月26日 著者:
中小企業のオヤジだけが知っている儲けのカラクリ中小企業のオヤジだけが知っている儲けのカラクリ感想
この本は抽象論に陥りがちな中小企業のゴーイングコンサーンを知る上で実践的で尚かつ役に立つような内容だ。中でも資金繰りのことと儲けの仕組みをいかに作るかという点に誌面を割いていてそれこそ企業の存続の本質であるというのはよくわかる。そしてその先には節約であったり銀行との付き合い方だったりまともな節税のありかたについてもきちんと説明していて表紙の怪しい帽子のイメージも最後まで読むと払拭されること請け合いだ。多分、自主制作に近い本だと思うけどかなり踏み込んだ経営論で個人的にはとても参考になった。何度も手に取りたい
読了日:4月26日 著者:鈴木和宏
言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)感想
最近出た「読まなくていい本の読書案内」と副読本とも言える内容。橘さんの考え方にある合理性だったり科学的な部分がこの数十年の進化論とその周縁にある科学の進歩についてその成果をのべている。その本質的な論議は世の中の問題は99%解決しているといってもいいのかも。人間における環境要因と遺伝要因はそれぞれ一定の条件とともに調整統合されているがそれはどこまでいっても種の保存という進化の行動様式の範疇から抜け出せないという視点でもある。だがそれを知ることによって自意識ってもっと変わるのではないか。そう思わざるを得ない
読了日:4月25日 著者:橘玲
本質を見通す100の講義本質を見通す100の講義感想
著者の森さんって小説家らしいけど小説は読んだことなし。エッセイのみというのは森さんの場合は遠藤周作だという。本当にそうだ。小説に手が出なくてもエッセイが好きな著者っている。そんな人だ。見開きの文章の中に恐妻家ぶりもありつつ小説のテレビ家の話もある。著者が好きなのがどこまでも悪口をいっていても未来にある種の楽観があることだ。過去より今の方が良くなっている。便利にもなっているからきっと今後もよくなるといいなあぐらいな読後感がとても誠実に感じるばかり。特に仕事の取り組み方も威張るでもなく卑下もしない姿勢がいい
読了日:4月25日 著者:森博嗣
これが「買い」だ:私のキュレーション術これが「買い」だ:私のキュレーション術感想
マイクロソフトの社長だった成毛さんって軽やかに仕事のキャリアを捨てて投資家になったりHONTOを作ったり人を巻き込むのが上手い。その本質にあるのは帯にもある逆ばりの発想だ。いつ儲かるかわからないけれどもディスカウントされて下がっている株式に投資していつ実を結ぶかわからないというのがあるのを楽しんでいる感覚というのがこれこそ投資に勝つ人だというのが肌感覚で気づいてしまった。それに圧倒的な合理主義なんだけどホリエモンのような身もふたもない感じがないところまでいかないあたりが日本人的で養老さんとも近い気がしたな
読了日:4月25日 著者:成毛眞
分類脳で地アタマが良くなる 頭の中にタンスの引き出しを作りましょう分類脳で地アタマが良くなる 頭の中にタンスの引き出しを作りましょう感想
マッキンゼーのMSCEに似た手法でなるほどと思った次第
読了日:4月17日 著者:石黒謙吾
明日の幸せを科学する(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)明日の幸せを科学する(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)感想
この前橘玲さんの本を読んでいたらこの科学の進歩がもたらした知見の数々はそれ以前の学問的成果を軽く凌駕してしまうようなインパクトがあるなあと実感する今日この頃。そういえばこの手の幸福論はそれこそギリシャの哲学者からずっと討論されてきたが科学の分析はかなりその大枠については捉えつつあるなあというのが率直な感想。著者は幸福を分類すると感情と道徳、判断の幸福の3つに分けている。これはマグローに近いかもしれない。ただ人間は未来を想像することで幸福を味わうという生き物であり誤り対し落胆する前頭葉の働きに着目している
読了日:4月17日 著者:ダニエル・ギルバート
めくるめく現代アート イラストで楽しむ世界の作家とキーワードめくるめく現代アート イラストで楽しむ世界の作家とキーワード感想
全編著者の書いたイラストがこれでもかと書いてあるのでいわゆるハウトゥーマンガ的なイメージで読むとかなりの高度な内容。基本的には現代アートの黎明期デュシャンから現代までのアーティストの紹介といわゆるその潮流を解説した内容。後半になるほど現代進行形のアートの最前線をかいま見ることができるが「現代アート」時代がもはやプレ現代の枠にはめ込まれているというのがよくわかる。バンクシーとか好きな人には物足りないかもしれないけど網羅的に知るにはかなり重宝。よくよく考えれば今に生きる人には現代アートこそわかりやすいジャンル
読了日:4月17日 著者:筧菜奈子
世界史の逆襲 ウェストファリア・華夷秩序・ダーイシュ世界史の逆襲 ウェストファリア・華夷秩序・ダーイシュ感想
駐シリア臨時大使の著書だったので身構えて読んだけどシリアの状況を踏まえて読むと大規模戦争の時代が終わり国境を問わない局地戦や紛争が噴出する時代はむしろ非常にカオスな時代に時代に突入したことを示唆する。その端緒となったのが三十年戦争を機とするウェストファリア秩序と呼ばれるもの。オスマン帝国の解体に中国の台頭という地勢上異なるエリアでの動向を踏まえつつそれぞれ解説している。イスラム、中東圏についてはほぼイスラム学者の中田考先生の史観を重なるし中国の華夷思想はこれまで随分言われているが難民のリアリティが心に残る
読了日:4月17日 著者:松本太
大武道!  vol.1大武道! vol.1感想
格闘技通信と紙のプロレスの編集長だった人たちが作ったムック。それだけにプライドK-1の絶頂期とそれ以前の総合格闘技の独自の進化を遂げていた時代に立ち返ろうとしているあたりが面白い。でもこの人たちの圧倒的な残念ね点は興行に進出してしまっていることで元極真の数見さんのインタビューとか当時を知る人には懐かしいんだけど興行に出したがるスタンスがどうも誌面の端々から出ていて嫌な気がした。どこか傍観者で面白いからやってくださいよ的な部分が欲しい。あと先日亡くなった堀辺師範は強さを可視化されて残念。本当に惜しい人でした
読了日:4月17日 著者:
マンガで学べる仏像の謎 (単行本)マンガで学べる仏像の謎 (単行本)感想
マンガってわかりやすく仏教の世界観も解説しているのでかなりわかりやすい初心者向き。それはそれでいいけどちょっと中級者ぐらいだと物足りないかも。でもマンガを通じて仏像の種類を覚えるにはいいかもしれない
読了日:4月9日 著者:田中ひろみ
鬱屈精神科医、占いにすがる鬱屈精神科医、占いにすがる感想
「占い師が一番悩みが多い」というのはよく言われるけど精神科医もしかり。ましてや学問的に自分の内面を分析していく明晰な文章はここでも健在。読んでいるとなるほど過去の自分に向き合い母親に愛されたいという渇愛が文章の中でまるで教会での懺悔のように赤裸々に吐露していく。それは歳をとって自分の居場所がなくなっていくことに対する焦燥であったり老いに対する恐れでもある。そこで占い師にあえて飛び込み会話の中でぼろぼろと号泣する場面が印象的だ。人に話すことでなぜ救われるのか。何かに身を委ねる経験に内省を深める後半もユニーク
読了日:4月9日 著者:春日武彦
ゾンビ映画大事典 (映画秘宝COLLECTION)ゾンビ映画大事典 (映画秘宝COLLECTION)感想
これはもはや趣味の域ではないですね。ゾンビ映画の歴史に加えそれぞれの作品のレビューが300以上もある。なんなんだこれは…と手に取って愕然としてしまった。実際ゾンビ映画って駄作が結構あるのでまさに好きこそ物の上手なれである。しかもおおむね世間の評判が頼りになるジャンルでもあるので最近のウォーキングデッド以前のシーンはほぼ網羅できていると確信できた。それでもやっぱりジョージAロメロだつたりサムライミだったり監督の作品群の素晴らしさがゾンビのように伝播していった歴史もわかって楽しかったかも
読了日:4月9日 著者:伊東美和
日本おとぼけ絵画史 たのしい日本美術 (講談社ARTピース)日本おとぼけ絵画史 たのしい日本美術 (講談社ARTピース)感想
日本の絵画の保守本流が淋派や狩野派の流れからすると辻惟雄先生の「奇想の系譜」、さらに先にあるのが「おとぼけ」や「素朴」などの流れではなかろうか。前半には白隠などの禅画や水墨画に加え、題材としての寒山十得のようなちょっと気味が悪いものも視野に入れていて面白い。この系譜というのはある種の「文人画」と同様に職業的でない画家とかが結構日本の中では独自の位置を占めているというのがわかる。それゆえの素朴さだったり稚拙さだったりするのだけれど背景には様々な物語を絵画で文脈づける文化があるなあと思わされるばかりだ
読了日:4月9日 著者:金子信久
好きなようにしてください―――たった一つの「仕事」の原則好きなようにしてください―――たった一つの「仕事」の原則感想
個人的には「経営漫談」と読んでいる楠木健先生の新刊。サイトに寄せられた質問に答えているんだけどスタートアップ関連のアホみたいな自慢の質問にはまともに取り合わないのが好感持てます。結局楠木先生のロジックにはストーリーとしての経営者のロジックだったり「好きなことに夢中になれ」「集中と注意はトレードオフである」という過去の著作の金言を質問の解答のキラーフレーズとしており込む一貫性があるのが面白い。他の学者の先生は金言の持ち込み方や例の出し方がワンパターンですがその隘路には当てはまらない「漫談」ぶりを今回も堪能!
読了日:4月7日 著者:楠木建
ひとりビジネスの教科書: 自宅起業のススメひとりビジネスの教科書: 自宅起業のススメ感想
この手の本って00年代の初めに藤井孝一さんの「週末起業」からそのブームは何度もあるけどこの時期に及んでそのノウハウの蓄積というのはかなりのものだなあというのが雑感。著者は情報商材とかで売っていそうな内容も紹介していて教科書というのは言い得て妙と言えそう。ただ個人的には起業している人でセルフプロデュース的に異業種交流会なんかに参加している人というのがちょっと苦手なのでそんな雰囲気も本から感じたのも事実。ネットでの起業というのはどコストがかからないからいいのだけれど死屍累々の状況をみているだけに(?)がつく
読了日:4月3日 著者:佐藤伝
ブッダも笑う仏教のはなしブッダも笑う仏教のはなし感想
やっぱりしゃべりの商売の人の講話は面白い。幼き頃から写経していたという笑い飯の哲夫さんの本。メインは仏教の歴史といわゆる経典に由来するブッダのエピソードを紹介するのがメイン。それだけにとどまらない蘊蓄や仏教教団の変遷や日本での展開も触れていますけどブッダのエピソードはおそらく何度も話しているからかとても面白く読めます。こういう物語を通じて人間は世の真理である「法」を学んだり規範や道徳を身につけるのでありましょう。物語が人間に必要であるという視点で考えると宗教の持つ教典の意味についてちょっと再認識しましたわ
読了日:4月3日 著者:笑い飯哲夫

読書メーター
posted by nizimasu at 22:07 | TrackBack(0) | BOOKS
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