2014年12月04日

2014年11月の読書

2014年11月の読書メーター
読んだ本の数:30冊
読んだページ数:6438ページ
ナイス数:278ナイス

広告20世紀 広告批評アーカイブ広告20世紀 広告批評アーカイブ感想
広告批評アーカイヴとして以前に出版された本をまとめたもの。それにしても20世紀というのはアメリカで花咲いた大量消費社会を日本が独自に解釈して広告の独自性が際立つ時代だと思う。たまたま天野祐吉さんが意識したか否かは定かではないが、女性の社会進出と繋がるような部分と、亀倉雄策さんの東京五輪のポスターに代表されるような復興と高度経済成長の軌跡でもある。一方で、コカコーラやコパトーンなど今の日本にもある日用品のイメージもきっちりおさえているあたりの資料性もかなり高い
読了日:11月26日 著者:
美術手帖10月号増刊 国宝のすべて 日本美術の粋を集めた国宝を堪能する。美術手帖10月号増刊 国宝のすべて 日本美術の粋を集めた国宝を堪能する。感想
国立博物館の国宝展にあわせての刊行のようですが、個人的には京都の国立の新しい展示や、鳥獣戯画の修理の模様は日曜美術館とあわせてみていたので、これはあかんり興味深かった。国宝のキーワードも取り上げていたけど、それほどではなかったかな。意外な収穫は山下裕二さんとみうらじゅんさんの対談で国宝をひややかにみつつも、それぞれの思い入れたっぷりな「マイ国宝」的なセレクションは、こうしたお硬い本の中では異色でちょっと笑ってしまった
読了日:11月26日 著者:
現実脱出論 (講談社現代新書)現実脱出論 (講談社現代新書)感想
果たして自分が見ている現実は、それがすべてなのか。特定の人にしか見えていない世界もパラレルで存在しているのではないか。その片鱗を著者である自身も感じるという。同じものを見ても躁鬱の状態次第で全然違うものに見えてしまう。それは、同じ現実なのかと著者は問う。他の知人には、人形と話している人物もいた。それは非現実的なことと斬って捨てていいのか。そんな問いが続く。これは現実脱出というより大乗仏教にあるような神秘や超現実的なものに希望を感じるというような主張に近いのかな。評論というよりも私小説でありエッセイでもある
読了日:11月26日 著者:坂口恭平
NHK「100分de名著」ブックス 般若心経NHK「100分de名著」ブックス 般若心経感想
般若心経ってよくよく考えるとどういう意味なんだろうということに見事なまでに初心者向けの解説になっています。元々釈迦の教えが何かと科学的に追求しようとする著者がなぜ大乗仏教の経典であるのかというのも読んでみると面白い。それよりもどこか大乗仏教のうさん臭さと思っていた呪術や神秘的な事象が人間にとって根源的な希望にも繋がるという話はこれまでの解釈とは違う現世利益とは一線を画していてなるほどなと思う。その一方で観音様と阿羅漢の対話というお釈迦様越しの対話というのが既存の仏教の上位概念におくという指摘には驚きの一言
読了日:11月25日 著者:佐々木閑
NHK「100分 de 名著」ブックス ブッダ 真理のことば (NHK「100分de名著」ブックス)NHK「100分 de 名著」ブックス ブッダ 真理のことば (NHK「100分de名著」ブックス)感想
初期の仏教の経典に「ダンマパダ」というものがある。それが真理のことばという意味らしい。その経典に書いてあるのは、ブッダが亡くなってそれほどたっていないだけに、より本人のものに近いというのであろう。心の科学と著者の佐々木さんが言うだけあって、この本でもいかにそれぞれの仏陀の言葉の本質が正射を得ているかについてもエピソードを交えて触れられていて興味深い。佐々木さんの他の本とも重複はあるが、やはりこの本は万人向けに噛み砕いてあるのでかなりわかりやすかったです
読了日:11月25日 著者:佐々木閑
失われた感覚を求めて失われた感覚を求めて感想
ミシマ社の活動というのは、個人的にも小出版社、しかも四六版の単行本中心という出版不況の真逆な動向に注目していたのですが、この本ではそんなユニークさとは裏腹に京都の片田舎に支社を出して、悪戦苦闘する様子が描かれている。結局、出版活動が停滞しているあたりは当時の文章そのままに重苦しい展開が続く。そして支社を街中の京都駅の近辺に移転してからの考察には出版社の注目すべき問題点も浮かび上がる。ただ、どうしても本を出版することでナリワイになると、在庫の問題なども尽きないながら最終的に本を作るしかないという着地点に感動
読了日:11月25日 著者:三島邦弘
これならわかるアートの歴史 普及版: 洞窟壁画から現代美術までこれならわかるアートの歴史 普及版: 洞窟壁画から現代美術まで感想
イギリス人特有のちょっと辛辣でユーモアな視点の美術史の本。表紙のイラストのイメージはまさにそのままで、ラスコーの洞窟画から現在まで一騎に読めてしまう。若干、図版が少ないので初心者には取っ付きにくいかもしれないが、通史としての読みやすさは、ヨーロッパの地域によって、アートシーンの浮沈があったように描かれていて、個人的には非常にすっとわかりやすい本ではないかな。多分に著者の主観が色々はいっていて、面白い。バロックとかロココに結構意地悪い意見もイギリス人の視点なのかな。それなりに風景画にもスペースを割くのも納得
読了日:11月25日 著者:ジョンファーマン
肝をゆるめる身体作法肝をゆるめる身体作法感想
心の調整を身体から働きかけるというのは、実に理にかなっているのは日本人的ないや東洋的な感覚でしっくり来る。著者はそんなことを能のシテの立場から解き明かしていき、その実践が後半の部分。その知識はロルフィングに始まり、身体の弛緩はアレキサンダーテクニークのようであり、心に働きかける方法も呼吸法なども交えてイラストで紹介していて頼りになる一冊。つまり姿勢のいい人はやっぱり精神的にも一本筋が通っているというのはわかる気がします。まずは姿勢や身体、内面と向き合うことが必要かな
読了日:11月23日 著者:安田登
うるわしき戦後日本 (PHP新書)うるわしき戦後日本 (PHP新書)感想
すでに堤清二さんが亡くなっているだけに、このタイミングでの出版はいささか謎ですが、思いのほか、接点のなさそうな二人が、様々な文豪たちと共通の知人であることから意気投合してスイングする対談は面白い。それにしても文化の変化の時代を足利義政の東山文化にあると喝破して、書院文化や能、そこから平安の源氏物語に三島論、まあ痛快で知識の集積に驚くあまり。でもキーンさんの持論である日本の日記文学の斬新さについての言及は、何とも説得力があるし、とても会話の端々から日本に対する尊敬と畏怖の念が感じられて、感無量でした
読了日:11月23日 著者:ドナルド・キーン,堤清二
どうせ死ぬのになぜ生きるのか (PHP新書)どうせ死ぬのになぜ生きるのか (PHP新書)感想
名越先生の本から感じられる慈悲深い感じは、やはり仏教にあったのかと今更ながら納得しながら読む。ここで展開されるのは市井の精神科医が10年前に、仏教の手法を日々の生活のみならず、精神科医のメソッドとしても導入した胸中や、実践についても書いている。ここではシンプルな呼吸法や集中法に、修行のメインストリームとも言える瞑想まで…。このてに本は意外に実践についての言及はそれほど多くないが、要所で紹介しているくだりは、なかなかに親切。座学ではなく実践としての仏教の一面をかいま見た気がしました。
読了日:11月23日 著者:名越康文
日々是修行 現代人のための仏教100話 (ちくま新書)日々是修行 現代人のための仏教100話 (ちくま新書)感想
著者が朝日新聞に連載したエッセイをまとめたものなので一貫としたテーマがある訳ではない。唯一言えるのがブッダの教えとは何なのか。その源流を尋ねる旅と言っていい。そして、その裏にあるテーマが科学の専攻から、仏教に転向した著者の気持ちの揺れだろう。仏教を心の科学として内面から真実を探求する御仁ゆえ、科学者に招かれての講演会のくだりは、その文面からも科学との接点というより、同じ体系下にあると主張していておもしろい。仏教が持つ心の科学の側面は初期の仏教の中から見いだせることが多くて実に参考になる一冊。
読了日:11月23日 著者:佐々木閑
はじまりのブッダ: 【初期仏教入門】はじまりのブッダ: 【初期仏教入門】感想
日本に入ってきている仏教は、大乗仏教が主流。しかもその経典はブッダの死後数百年後に作られたと言われているだけに実際のブッダという人間はどういう思想の持ち主だったのか。ブッダの死後から時間を経ていない時期に作られた経典などを元にその思想をたどる。そこで浮かんでくるのは従来の輪廻や転生について言及しないというプラグマティックな態度。既存のバラモン階層などが信望する宗教の否定と言うキリストのようなラジカルな異端の宗教者の姿に繋がるというのは面白い指摘。でも大乗仏教と原始仏教の経典を五十歩百歩というのも驚きの展開
読了日:11月17日 著者:平野純
DAWで曲を作る時にプロが実際に行なっていることDAWで曲を作る時にプロが実際に行なっていること感想
これはかなり実践的でTIP的にすごく使える本。万人にはお勧めできませんが、ちょっとした音のトリートメントで、がらりと変わるもので重宝しています
読了日:11月16日 著者:山口哲一
仮面社畜のススメ (一般書)仮面社畜のススメ (一般書)感想
タイトルが面白いので手に取ってみたら意外とまともでした。会社に頼らず、自分で自己研鑽してプライベートも充実せよということに尽きるんだと思います
読了日:11月11日 著者:小玉歩
無欲のすすめ    無宗教な日本人の生き方 (角川oneテーマ21)無欲のすすめ 無宗教な日本人の生き方 (角川oneテーマ21)感想
前に「プア充」という本を読んだときに、個人的な島田さんの心象風景みたいなものが感じられて、いつも淡々とした筆致の著者なので驚いたのですが、その原点は、ヤマギシ会という自給自足を目指した団体(宗教団体?)に属していたからというのは驚き。しかし、自給自足もヤマギシの場合は成長が前提にあるだけに、今の下り坂社会では、大きく勢力を伸ばせないだろうという意見と、プア充のありようはよりヤマギシから思索を深めた結論なのだろう。個人的には、その先に江戸時代の隠居や放蕩息子ののたれ死にというのもあると考えたりしました
読了日:11月11日 著者:島田裕巳
コンテンツビジネスのすべてはUCLA映画学部で学んだ。コンテンツビジネスのすべてはUCLA映画学部で学んだ。感想
最後まで読んでようやくタイトルの意味が分かりましたが、最初はかなり読みづらい。著者のUCLA入学までの悪戦苦闘とカリキュラムでの苦労、言葉の障壁などの話なんだけど、タイトルのイメージだともっと、具体的な授業のカリキュラムなり、理論的なものを解説するのかと思いきやそうではありませんでした。後半の2章ぐらいでようやくその辺りも出てくるのですが、最後は映画監督でなく、携帯のゲームでのブレイクと言う面白い成功譚で終わっています。そういえば、タイトルも映画監督のすべてでなく、コンテンツビジネスだったかと気づいた次第
読了日:11月11日 著者:津谷祐司
杉浦日向子の江戸塾 特別編杉浦日向子の江戸塾 特別編感想
すっかり杉浦日向子さんづいていますが、没後に出された本で、鰻屋さんに、農業の研究者などとの対談。他に田中優子さんに林真理子さん、田辺聖子さんなんかとの対談もあり。個人的には田辺聖子さんとの男論議のどこかおかし身を詰め込んだような会話に江戸と上方を横断したような、ほのぼのとした対談にほっこりさせられました
読了日:11月8日 著者:杉浦日向子
うつくしく、やさしく、おろかなり―私の惚れた「江戸」うつくしく、やさしく、おろかなり―私の惚れた「江戸」感想
江戸時代の江戸人はどういう生活様式でどのような価値観を持っていたのか。あまたの文献から咀嚼して開陳するのが杉浦さんの見事な料理の仕方で楽しめるエッセイ。杉浦さんがいつも江戸の中で強調するのはおろかであるということ。あるいはのんびり気ままというのもあるかもしれない。そうした我々がとかく美化してしまう部分にもっと生活や欲といったもののありようみたいなものを足すのが彼女の魅力だと思う。明るい部分だけでなく裏街道もある。そんな言葉を思い出します。そんなきれい一辺倒ではない江戸の世界を堪能できるのがこの本の魅力です
読了日:11月8日 著者:杉浦日向子
粋に暮らす言葉粋に暮らす言葉感想
杉浦さんの「憩う言葉」と対にあるような名言集。こちらは、先の本が色と食にあるならば、江戸の価値観である粋や野暮と言った生活の中の金言が満載だ。杉浦さんはある時期から漫画家をやめて隠居宣言するが今の日本のせわしなさを見るとまさに先見の明、いや江戸の先人からの生き方を体現していた実感深い言葉の数々が並ぶ。先日亡くなった天野祐吉さんや横尾忠則さんも隠居をキーワードにしていたけれど、こうした文化人の隠居の潮流というのは、どこか江戸のたたずまいを感じるのはなぜか。風流と違う粋のありように思いを馳せてしまいます
読了日:11月8日 著者:杉浦日向子
憩う言葉憩う言葉感想
杉浦日向子さんの名言集の中でも、食事や酒に関する言葉が詰まっている本。江戸時代の人は、食と色に対する飽くなき欲求を体現しつつも、そのゼロ成長の小欲知足の部分も見事に昇華している言葉の数々に心惹かれます。いつも杉浦さんの本にはそば屋が出てくるのだが、ついお昼におそばを食べたくなってしまうのが、これまた楽しかったりして…
読了日:11月8日 著者:杉浦日向子
ソバ屋で憩うソバ屋で憩う感想
ちょっと「ソ連」とはきな臭いネーミングですが、おそば好きのグループによるソバ屋さんのガイドブック本。だが、そこは杉浦日向子さんが著者に名を連ねているだけあって、なかなかくせ者の江戸の風情を漂わせる店が多いのが特徴か。老舗という意味ではなく、さらりと入って酒を引っかけせいろで頂くような気軽さがあるお店がずらり。途中、解説の中に最近民芸調の店が多いというのは、今も昔も変わらないのかな。かなり行ってみたいお店が多数で城南エリアはぜひ攻めてみたい
読了日:11月7日 著者:杉浦日向子,ソバ好き連
あたらしい「源氏物語」の教科書あたらしい「源氏物語」の教科書感想
源氏物語の入門書としては、かなり考えられた構成。源氏が慕う女性(桐壺)から逢瀬を遂げる女性を物語の進行とともに紹介しつつ、後半には登場人物の中でも女性の主要人物をとりあげていくのは見事な手際。これまで、似たような肩書きや名称で混同しがちな登場人物もこれなら間違わずに済みそうではないでしょうか?  本当は、頭中将あたりの雨夜の品定めなんて、今の「SEX and the City」の男版とも言える下世話な感じで面白いので取り上げても良かったのではないかと思うけど、ここからスタートして読めばかなり面白いでしょ
読了日:11月4日 著者:堀江宏樹,藤野美奈子
女子のためのお江戸案内~恋とおしゃれと生き方と~女子のためのお江戸案内~恋とおしゃれと生き方と~感想
簡単にいえば、江戸時代の恋愛事情と風俗をまとめた本。とはいえ、女子のためにはといわず、いろんな性別の方に読んでいただきたい。どこか明治以降の堅苦しい男女交際や、男男交際も含めて、どこかユーモラスでまた熱情的な部分、粋なんかも感じられる。どうも今の恋愛や社会に息詰まるような閉塞感を感じる人には、どこか風通しのいい江戸の伊吹を感じられそうな気がします
読了日:11月3日 著者:堀江宏樹
銀座Hanako物語――バブルを駆けた雑誌の2000日銀座Hanako物語――バブルを駆けた雑誌の2000日感想
今では「HANOKO族」なんて言うと何のことですかという感じですが、それほど10代の時期に読んだハナコの全盛期は、まばゆいばかりだった。ケンドーンの表紙に地域のグルメ情報にブランド…。まさにバブルの時代に昭和元禄のごとく輝いていた雑誌の初代編集長がまとめた回顧録。当時の風俗を知る上でも、あの時代の伊吹を感じることもできる。また、編集部員のそれぞれのエピソードを読むと、まるで働きマンのような感じもありつつ、懐かしい回想記。今となっては93年に編集長を交代するとは時代に寄り添っていた人物の現場報告としても秀逸
読了日:11月3日 著者:椎根和
天野祐吉対話集─さよなら広告 さよならニッポン天野祐吉対話集─さよなら広告 さよならニッポン感想
今更ながら80年代から90年代の広告批評の影響は大きいのでした。登場する人たちにシンパシーを覚えて、今でもその動向は気になるし、やzつぱり天野さんのニヒリズムや隠居精神みたいなものがどこか自分の中に染み付いているのをこの本を読みながら再認識してしまった。ほぼ日を始める前の糸井さんとかもよくよく読むと論旨は一貫しているし、仲畑貴志さんとかの言葉の勢いもかなりなつかして読みました。それにしても横尾忠則さんとの漫談のような対談は、今となっては都築が聞けないのかと思うと残念至極であります
読了日:11月3日 著者:天野祐吉
シネマニア100 本当に怖い映画100本 (エンターブレインムック)シネマニア100 本当に怖い映画100本 (エンターブレインムック)感想
ホラー映画だけかなと思っていたらサスペンスなんかも入っていて新鮮な内容。個人的には10代で見たシャイニングやバタリアンあたりで止まっているから、最近のひと味違うサスペンスやサイコ系の作品にひかれました。全般的に散漫な印象でしたが、4ページながら実際にあった事件と作品を紹介するページで紹介していた映画たちにはひかれるものが多かった。もっとページごとのテーマ性が高まっていた方が良かったかなという印象。でも初心者の案内本としては十分な内容だと思うばかり
読了日:11月3日 著者:
渋谷系渋谷系感想
著者の若杉実三と言えば、まさにクラブミュージックの伝道師である人でリミックスなどの雑誌で随分、記事を読んでいただけに個人的には懐かしい。そんな若杉さんが渋谷系について書いているのだから面白くないはずがない。渋谷系を定義するよりも個人的な渋谷系との関わりを通して、渋谷系という現象を解き明かしていく。サブカルは多分に個人的な体験と結びついているのは、宮沢章夫さんの論考でも明らかだけど、その点について若杉さんがイギリスのムーブメントであるアシッドジャズと対照していて紹介しているのが面白い。同時代の醍醐味を満喫
読了日:11月2日 著者:若杉実
北斎漫画: 日本マンガの原点 (平凡社新書)北斎漫画: 日本マンガの原点 (平凡社新書)感想
マンガの源流として約4000点あまりの北斎漫画を読み解くという意欲作。新書ながら図版が多くて、その解説も丁寧だから、北斎の見た江戸の風俗だったり、当時から人気の物語の登場人物もわかったりして、ユーモアと日常の中におかし身を見つけるスタンスは、今の日本にもっと必要だなと思う。どうもこの前のボストン美術館の展覧会でも感じたが、絵の触れ幅とその確立した世界の中に没入すると、とても心地よいのは人間の業とそれをモノともしない自然が同居しているからかもしれない。虚像と日常。自然と個人。何ともおかしみ深い
読了日:11月2日 著者:清水勲
文庫 定年後7年目のリアル (草思社文庫)文庫 定年後7年目のリアル (草思社文庫)感想
前作の淡々としたトーンが心地よかったので、その後譚として読んでみる。何も変わっていない(笑)。でもそれがよい。前半は身近で見かける(定年後の男の行動半径はたかがしれている)同年代やちょっと上の老人世代をウオッチしながら突っ込みを入れる。悩みは、健康とお金と生き甲斐といいつつも、底をつかずに低空飛行。日常のささいなことに思索を巡らし不安もあったり、さらりと忘れたり、隠居の先人たちの生き方と自分を比較したり、まあそれなりの心の揺れが忙しい。でも時間はある。リアルがわかってきて、この本はいつもほっこりさせらる
読了日:11月2日 著者:勢古浩爾
日本プロレス事件史 vol.2 テレビプロレスの盛衰 (B・B MOOK 1110 週刊プロレススペシャル)日本プロレス事件史 vol.2 テレビプロレスの盛衰 (B・B MOOK 1110 週刊プロレススペシャル)感想
事件史シリーズは、テレビプロレスについて。元々、力道山時代からテレビ中継なしにプロレスは存在し得ないというのが、昭和のプロレスの大前提。そうした中で、日本プロレスの2局中継体制や、国際プロレス中継につながるTBSプロレスの旗揚げなど興味深い。連載として取り扱っているゼロ年代の新日本の低迷と再生の物語はここでも棚橋というエースの存在が大きいとのべている。VOL1のきな臭さはないあとはいえ、TBSが画策した大晦日プロレスなど、闇に葬り去られた事件も多く読み応えあり。何よりも門馬さんの健筆が読めたのはうれしい
読了日:11月2日 著者:

読書メーター
posted by nizimasu at 09:31 | TrackBack(0) | BOOKS
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