2015年05月04日

2015年4月の読書

2015年4月の読書メーター
読んだ本の数:21冊
読んだページ数:5376ページ
ナイス数:195ナイス

古典を読んでみましょう (ちくまプリマー新書)古典を読んでみましょう (ちくまプリマー新書)感想
橋本治の文章には若干苦手意識があったんだけど、古典案内ということで読んでみたら、あのくどい感じがかえって親切な解説になっていて個人的には非常にさんこうになった。句点のなさから始まり、おとぎ話に古典の突破口として紹介したりと、、、なんと親切すぎるではないか。後半の徒然草と清少納言の面白さの違いに突いてもやっぱり圧倒的な考察とインテリジェンスで読み解いていて本当にこの本はすごいなあと驚かされるばかり。なんとなく、読後感が古典が読めるような錯覚になるのはご愛嬌か(笑)
読了日:4月26日 著者:橋本治
[新版]森の思想が人類を救う[新版]森の思想が人類を救う感想
森の思想というのは、南方熊楠だったり、本多静六にも通じるようなイメージだけど、縄文の時代にさかのぼり、そこに日本の原風景を見いだすというのは、先生の持論の真骨頂といえよう。ある種の日本文化論としては、一潮流と言えるもので、読んでいてなかなかもって楽しい。その検証の余地はあるのだろうけど、日本の思想には自然観とかな文字(このあたりは梅原先生の持論ではないが…)にその特徴みるというのは説得力があります
読了日:4月26日 著者:梅原猛
知的生活習慣 (ちくま新書)知的生活習慣 (ちくま新書)感想
よくよく考えたらこの本もライフネット生命の出口さんの本も久米書店のゲストに出ていたのが読むきっかけでした。その時に先生も「日記を書くのは忘れることができるから」と話していたのが印象的で手に取った次第。もちろん、いつもの散歩の効用などもありつつ、ルーティンを大事にされているのといつまでも好奇心を失わないのがいい。それよりもなによりも昨今の編集者が黒子に徹していないという点を嘆いているのはなんとも古いタイプの人間の愚痴に聞こえるかもしれないけれど、長年編集者をしてきた先達の言葉としてとても共感できるばかり
読了日:4月23日 著者:外山滋比古
本の「使い方」 1万冊を血肉にした方法 (角川oneテーマ21)本の「使い方」 1万冊を血肉にした方法 (角川oneテーマ21)感想
ライフネット生命の出口さんの本の行間からいつも本が好きなんですというのがでていて、本好きはこの雰囲気だけでも十分楽しめる。いわゆる著者による代表的な古典案内の趣の本なんだけど、結局、人間が学ぶのは人からと本と旅だという持論に裏打ちされた読書論。最近の教養軽視の傾向を嘆きつつ、その効用を説いて説得力があるのも年輪を重ねた老境だからこそだろう。
読了日:4月23日 著者:出口治明
本なんて読まなくたっていいのだけれど、本なんて読まなくたっていいのだけれど、感想
主に書評とか、その執筆時の抱えているプロジェクトの話が中心。やっぱりこの人も本を読んでほしいという気持ちが真摯に出ていて、最近の西加奈子さんのインタビューにも似た本への愛情みたいなものを感じます。この本の言葉の中では、ただただ「本の読み重ね」という一言に尽きる。人生に四季があるように読む時期によってその意味合いは全然違って見えてくる。随分と多読な自分だけど、ちょっとそんなに本も読みきれない気分もあっただけに何だか心に残る一言でありました
読了日:4月23日 著者:幅允孝
映画系女子がゆく!映画系女子がゆく!感想
いわゆる映画ライターや評論家の男性は自虐的に自分のボンクラぶりや心情を映画と重ね合わせてみることが多いけど、このライターさんも自分の経験と映画のストーリーを結びつけて、女性のライフスタイルや生き方の逡巡や幸福のありようについて、論じていて表紙のイメージよりもかなり硬派に感じた。ここまで書くかという肚のくくり方も含め個人的には非常に共感できる著者さん。ゆえにこの本で取り上げられる作品も興味深いものが多い。なぜか、500日のサマーってなんでこんなに評価されているのかというのも含め、わかりやすいのも良い
読了日:4月21日 著者:真魚八重子
いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学感想
いつも時間がないし、お金もないし…なんて思い悩んでいる小生のような小市民にはドンピシャな内容。行動経済学の本は結構以前に読んだけど、実験の内容がユニークだし、トンネリング(欠乏を感じてそのことで頭がいっぱいになってしまうこと)のたとえも絶妙。緊急の事態を綱渡りでこなすジャグリングもそのネーミングそのままだ。その対処法として出てくるスラックというのも面白い。要はバツゲージの余白みたいなものなんだけど、この議論は以前に感銘した渋滞学の議論と重なるかもしれない。リマインダーの効用とか色々参考になるのではないか
読了日:4月21日 著者:センディル・ムッライナタン,エルダー・シャフィール
ヨーガの思想 (講談社選書メチエ)ヨーガの思想 (講談社選書メチエ)感想
これは実に興味深い内容。どうしてもイメージとしてシヴァを最高神としてブラフマンとか、圧倒的にヨガはヒンドゥー教のイメージと繋がっていたんだけど、どうも違うらしいというのが浮き彫りになる。その身体技法としてのヨガは後に仏教やジャイナ教にもつながるのだけれど、それとは別にインドの土着的な文化として機能していたというのは目からウロコだ。というだけに、宗教性を帯びることもそうでないことも可能な訳でその極端な例がオウムとも言える。他にもビートルズがハマったマハリシとかOSHOなんかの現代的なグルの紹介もある
読了日:4月19日 著者:山下博司
長くなるのでまたにする。長くなるのでまたにする。感想
サブカルチャーの番組で久々に、宮沢さんのあの一人ごとというか、独り心地な感じのトークを満喫した矢先にこのような本が出たことにまずは感謝。あとがきにも書いているように堂々巡りのような文章に、一人突っ込みのスタイルは不変。何度も眠れなくて缶チューハイを下戸でも飲んでさあ大変という話は、もはや志ん生の域だわ。それにきたろうさんの物忘れの話とかのおかしみの話は日常譚の最たるもの。あと、内田百閧フ随筆の素晴らしさをかいていて、その中の百閧フ引用部分が本当に素晴らしい文章でちょっと色々感動が多い本でした
読了日:4月19日 著者:宮沢章夫
見仏記 (角川文庫)見仏記 (角川文庫)感想
多分、20代の頃に読んで以来だと思うんだけど当時より圧倒的に仏像やお寺の知識も身に付いているから面白さは倍増していた。中でも東北や九州など、仏像の本場(?)の京都奈良とは違う文脈の仏像さんの推理は泣かんかユニーク。仏像を墨で写して違う解釈のまま、地域信仰と習合していくとか、九州の宗像の神道とのかかわりの考察は結構あっているのではないかと思ってしまいました。本当今の橋本麻里さんなんかもこのスタイルからインスパイアされて国宝を論じているのではないかな。サブカル美術本の金字塔とも言える本だ。次も読まないと(笑)
読了日:4月19日 著者:いとうせいこう,みうらじゅん
問題解決ラボ――「あったらいいな」をかたちにする「ひらめき」の技術問題解決ラボ――「あったらいいな」をかたちにする「ひらめき」の技術感想
佐藤オオキさんの本はつい読んでしまう。300もあるプロジェクトをこなしつつ、そのデザインのさりげない完成度の高さというのは、仕事は違えど、参考にしたいところ。そんな佐藤さんの進行中のプロジェクトをさらりと紹介しながらそのアイディア術や仕事法についても言及している。やっぱりアイディア出しのルーティン化とか学ぶべき点は多いな。芸術家ではなくて、デザイナーというのがみそでしょう
読了日:4月19日 著者:佐藤オオキ
仏教の身体感覚 (ちくま新書)仏教の身体感覚 (ちくま新書)感想
身体感覚というワードに惹かれて読んだもののその中心となるのは、仏教の発生とその歴史的な変遷にある。インドにおける大乗と上座仏教の大分裂などを経て、インドの密教化。中国での経典を元にした道教や儒教との相克、日本においての神道や民間信仰との習合もいわずもがな。そんな仏教の栄枯盛衰が輪廻や霊魂の容認などにもあったという変遷をたどる。となると、仏教はもともと瞑想などの身体技法も変化していく訳でそうした点を、浄土や華厳経などとの経典の成立と伝来などと比較対照しているのが面白かったりします
読了日:4月16日 著者:久保田展弘
暇と退屈の倫理学暇と退屈の倫理学感想
う〜ん。ものすごくハマって久々にあっという間に読んでしまった本だった。暇の問題を定住革命からとらえていて、そこから労働やよかとの関係性なども論じつつ、結論として、動物になれという言葉にしびれた。その浪費や狩猟的な生活に喚起されるその日暮らしとは違う世界の見え方を結構丹念に検証していて、実はその部分に惹かれた。人間はルーティンによって、その効率をいかに高めるかに邁進した結果、暇と退屈を生んでしまった。その組み合わせはマトリクス的に考えることができるという視点から4つに分類したりして…もう一度じっくる読みたい
読了日:4月13日 著者:國分功一郎
フィメール・コンプレックス (彼女が音楽を選んだ理由)フィメール・コンプレックス (彼女が音楽を選んだ理由)感想
著者が出会ってきたインディペンデントなアーティストたちの足跡をたどった本。エヴリシングバットザガールのトレイシーソーンのエピソードにいきなりわしづかみにされたんだけど、セイントエティエンヌやベルゼバなんかも出てきて、ちょっと著者さんは世代が若いみたいだけど、音楽遍歴が似ているなあと思った次第。渋谷系とネオアコのニュアンスと自分らしい生き方のマッチングが絶妙で面白い感性の本
読了日:4月5日 著者:多屋澄礼
ヨーガ入門―自分と世界を変える方法 (平凡社新書)ヨーガ入門―自分と世界を変える方法 (平凡社新書)感想
インド発の身体技法としてのヨーガについて、対論形式にしているが、内容はかなり本格的。個人的には、その要素を呼吸と瞑想、そしていわゆるヨーガとしての心身合一にあると思っている。ちょっとオカルト的な要素がついひくのだが、この本もちょいちょい出てくるのが残念。しかし、ヨーガを仏教や、気功、太極拳などの身体技法と結びつけて説明していて東洋的な手法のルーツとしての概観本としては有意義だと思うばかり
読了日:4月5日 著者:北沢方邦
ろごたいぷっ!  マンガ・アニメ・ラノベのロゴを徹底研究する本ろごたいぷっ! マンガ・アニメ・ラノベのロゴを徹底研究する本感想
最近のライトノベルや同人誌のマンガなどの書体を詳説していて実はすごく役に立つ本。良書
読了日:4月5日 著者:山王丸榊
哲学の自然 (atプラス叢書03)哲学の自然 (atプラス叢書03)感想
自然というのは、概念哲学以前の「自然派」と呼ばれる哲学に戻れというものだ。その両者にあるのは、原発というものが一つの概念哲学の帰結として原発の平和利用ができたということ。だが、日本ではなくなったとしても中国や世界ではますます増えるだろうという認識だ。その解決策として議論の中心となるのはハイデカー。いわゆる百姓の息子として育った自然派の哲学、再構築を目指して縦横無尽に語りかける。哲学のロジックの難しさを対談で平易にして、面白い議論。哲学だが感覚的。そこもいい
読了日:4月5日 著者:中沢新一,國分功一郎
運動指導者が教える 食事10割でヤセる技術 (美人開花シリーズ)運動指導者が教える 食事10割でヤセる技術 (美人開花シリーズ)感想
前作の「運動1割:食事9割」も良著だったけど、今度は食事10割とまで断言する潔さもグッド。いわゆるはやりもののアサイーなんかよりも日々の食事の素材を厳選にした暮らしというのはやっぱりきちんとしたいものだと思う。つい運動とかランニングを3日坊主にしがちな自分のようなタイプは食事のちょっとした習慣の変化の方が十分に効果が出るような気がします
読了日:4月5日 著者:森拓郎
カラダの声をきく健康学カラダの声をきく健康学感想
表紙にあるようにあくびって、体がリラックスしたいというシグナルだったりする。それがかつての人間は常に聞こえていたようだが、忙しい現代人はシグナルをスルーするようになっているらしい。この指摘は過去に養老先生や三木成夫先生の説を著者がより最近の医療情報を元に検証しているような内容で、かなり興味深い。脳と腸、この組織が生命として様々なシグナルを発している。それが社会に必ずしも適合しない場合もあるが健やかに生きていくという点においては、瞑想やコンディションの点々観測などからできることは多い。実に今の社会は体に悪い
読了日:4月2日 著者:北村昌陽
学校で教えてくれない音楽 (岩波新書)学校で教えてくれない音楽 (岩波新書)感想
子供相手に大友さんがワークシップをしているのを再現している内容。それにしても大友さんの緊張感のああるノイズの世界とは全然ちがうほっこりした性格は、あのあまちゃんのブレイクで見せた時のような音楽家のそれのままだった。きっと今の状況を楽しみつつ、まさに「音楽」しているのを感じさせてくれる。ちょっとにんまりしてよんでしまった
読了日:4月2日 著者:大友良英
BODY RESET 身体の再起動 身体を鍛えて、魂のノイズを取り除く方法BODY RESET 身体の再起動 身体を鍛えて、魂のノイズを取り除く方法感想
高城剛さんがモノを持つ生活を捨てて、いわゆる「スキニービッチダイエット」という本に出ていたデトックス的な生活をあげているというのがおもしろい。ただ、ちょっとスピリチュアルはいっている感じの触れ幅は大丈夫頭と思う人もいるのが、それはそうだと思う次第。ただ彼の仕事のスタイルが、フリーランスでガジェットのトレンドを追いかけるスタイルは収入が多くないとできないのも事実で、彼の仕事の需要が減ってきた際に、自己防衛の生活を見いだして選んでいるように見えるのは勘ぐりすぎかな。でも中間層の貧困化を考えれば参考になう本
読了日:4月2日 著者:高城剛

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posted by nizimasu at 08:56 | TrackBack(0) | BOOKS