2015年01月05日

2014年12月の読書

2014年12月の読書メーター
読んだ本の数:46冊
読んだページ数:10735ページ
ナイス数:275ナイス

あわいの力 「心の時代」の次を生きる (シリーズ 22世紀を生きる)あわいの力 「心の時代」の次を生きる (シリーズ 22世紀を生きる)感想
安田さんの本は自己の経験から出てくる身体論から宇宙論、言語論にまで及ぶ。まさに言葉ありきで、日本人はそれまでに時制や自己と自然の区別も「あわかった」のではないか。その気づきのプロセスがまさに、身体から発せられる経験談よろしく感動的ですらあった。この本の含む内容はかなり後半で、個人的に関心のある三木成夫先生から養老さんや内田樹さんに、白川静先生まで至るので、また何度か繰り返して読むことになりそうだ
読了日:12月30日 著者:安田登
あなたの少食が世界を救う―愛と慈悲の心で生きる少食健康法のすべてあなたの少食が世界を救う―愛と慈悲の心で生きる少食健康法のすべて感想
今となっては小食が長寿遺伝子を活性化させるというのはかなり認められつつあるけれど、医学博士の立場から、断食療法の効用を具体的な例を挙げながら解説していく。中でも納得いきつつも不可解なのが、断食の途中で出てくる怒濤の宿便の量。まるで便器一杯に出るという宿便の話は断食を続けていてもというのが、さすがにオカルトじみているなあと思わざるを得ないなあ。でも断食はうまく利用すれば身体の休息になるのはいうまでもないだけに、タイトルのように食糧難を救う手法と大げさになるのでなく、自力本願の手段として活用すればいいかも
読了日:12月30日 著者:甲田光雄
若者のすべて 1980~86「週刊プレイボーイ」風雲録若者のすべて 1980~86「週刊プレイボーイ」風雲録感想
元プレイボーイの名物記者だった小峰さんって編集長になっているのかと思ったら全くそんなことなかったのか。フリーの記者としてナンパや体当たり取材の数々を書いているんだけど、きづけばもう50代半ば。今もライターさんで活躍しているらしいんだけど、どうしているのかしらと読みながらも心配してしまう。人生のピークを振り返るライターの回顧録としては面白いかも。でも読後感は何処も寂しい
読了日:12月30日 著者:小峯隆生
この国を呪縛する歴史問題 (一般書)この国を呪縛する歴史問題 (一般書)感想
元公安の菅沼先生が、歴史認識について本を出すのはちょっと?だったが内容はきわめてわかりやすい保守の論陣を張っている印象。特に目新しさはないけど、ワタクシのような門外漢がさらりと読むにはいいかも
読了日:12月30日 著者:菅沼光弘
ドナルド・キーン わたしの日本語修行ドナルド・キーン わたしの日本語修行感想
聖書に「初めに言葉ありき」というのがあるけど、日本人の言葉のユニークさに気づいて、東日本大震災の後には日本に帰化までしたドナルドキーンさんという存在は常に気になっていた。しかも日本語を覚えたのが戦時中のアメリカの海軍の学校。そこで、在米の日本人が差別にあいながらも青い目の生徒たちに教えていた先生への恩を忘れない律儀さや機微の通じ方がまさに、日本的な情緒を携えていて読んでいて、ほんわかしてしまう。しかし、当時の人の勉強に対する飽くなき探究心は実に素晴らしく背筋が伸びたのは言うまでもない
読了日:12月30日 著者:ドナルドキーン,河路由佳
マリネ: 漬けて、和えて 時間を置いて、おいしくなるおかずやつまみ75マリネ: 漬けて、和えて 時間を置いて、おいしくなるおかずやつまみ75感想
マリネって保存がきくし美味しいけど手間がかかりそうで…なんて悩みに答えてくれるような本。レシピ的にも結構難易度が高いものも多いけど、写真を含めて美味しそうなものばかり。特にお魚のマリネはもっと活用したいなあ
読了日:12月30日 著者:オカズデザイン
熱闘! 日本美術史 (とんぼの本)熱闘! 日本美術史 (とんぼの本)感想
「奇想の系譜」などの著者のある辻先生と言えば、今や日本の美術史で評価の高い若冲や曾我蕭白を紹介した目利きでもある。その御仁に私淑するのが村上さんというところで奇跡的なコラボが芸術新潮で実現したのをまとめた本。辻先生のお題に村上さんがこたえるかたちで表現しているのだけれど、やっぱり白眉は、以前に観に行った狩野一信の五百羅漢のオマージュは素晴らしい仕上がり。結構、辻先生も作品の仕上がりに苦言を呈する中で、この五百羅漢を巡る連載3回分のやり取りは、まさに奇想派の系譜を継がんとする村上さんの意気込みが感じられた
読了日:12月30日 著者:辻惟雄,村上隆
赤瀬川原平: 現代赤瀬川考 (文藝別冊/KAWADE夢ムック)赤瀬川原平: 現代赤瀬川考 (文藝別冊/KAWADE夢ムック)感想
赤瀬川さんって美学校の先生をしていたこともあって、ガロ周辺の人脈とも交流が深かったんだけど、あんまり深く読んでみたことはなかった。しかし、訃報に接し、その直後のNHKの特集でその前衛アーティストとしての部分とその後の路上観察に老人力に、中古カメラなど、この世界の広さはある種の隠居の先生のような滔々としたたたずまいにすっかりやられてしまった。この本でもご本人が登場しつつ宮武外骨などの解説もしつつこの世界の広がりには驚かされるばかり。安西水丸サンにしても赤瀬川さんにしても昭和の知識人の深い含蓄と観察眼には驚愕
読了日:12月30日 著者:河出書房新社編集部
オーガニックラベルの裏側: 21世紀食品産業の真実オーガニックラベルの裏側: 21世紀食品産業の真実感想
グローバルに活動するオーガニックラベルというのは一体なんなのか。鶏肉は実はハイブリッド胸肉の多い種類が流通しているという。その工場の様子は、赤いライトの照る鶏舎にぎっしりと鶏が詰まっている様子はちょっとオーガニックのイメージとはほど遠い。オーガニックの野菜もしかり、実は、まったく無農薬とは違うもので、基準をクリアすればいい。そうした基準は誰が決めているのか、検査しているのは誰なのか。それが元を正せば、同じ企業の関係者だったりするという。まさにオーガニックラベルが儲かるという資本の論理が垣間見える
読了日:12月30日 著者:クレメンス・G・アルヴァイ
スペイン謎解き散歩 (中経の文庫)スペイン謎解き散歩 (中経の文庫)感想
このシリーズは、今のところシンガポール編とタイ編を読みましたがどれも外れなし。中でもスペインはレコンキスタというイスラムとキリスト教の対立があったり、地方ごとにそれぞれの国家があったりしてなかなか全体像をつかみにくいんだけど、この本は著者の西川さんの料理さばきが見事で、バルセロナとマドリード以外の場所の来歴もわかったりしてよかった。中でもアンダルシアって独特の地方でかなり名所もわかりにくいんだけどそれすらもす〜っと入ってくるのでこれにはぐっときてしまった。ちょっと遠いスペインのイメージが近く感じられました
読了日:12月30日 著者:西川和子
地球経済のまわり方 (ちくまプリマー新書)地球経済のまわり方 (ちくまプリマー新書)感想
経済という実体のつかみにくい世界をずばっと一刀両断してくれるのが浜先生。アベノミクスの批判急先鋒でもあるだけに随所に批判も出てきますが、今回は経済の世界や力学を概観するのが趣旨。中でも世界地図をグローバルジャングルとして紹介していくのがとても面白い。詳細は本書を見てほしいのだが、説明上手の面目躍如ぶりを満喫しました。漫談かとしても先生は秀逸だなあ
読了日:12月30日 著者:浜矩子
古代インドの思想: 自然・文明・宗教 (ちくま新書)古代インドの思想: 自然・文明・宗教 (ちくま新書)感想
堅苦しい本だが、読書の快感を久々に体感。そもそも気候と民族性や思想というのが密であるという鈴木秀行さんらの学説からその気候と歴史インダス文明の成立からアーリア人の侵入で現地の森の住民を支配しつつも混血化していくというところで現在のヒンディー的な祭祀至上主義がでてきて、それに対するアンチテーゼとしてのウパニシャッド哲学の存在が現在の仏教になるのかという流れも概観できて大変有意義。アートマンとブラフマンの関係を呼吸で捉えてしまう感覚も、瞑想の意味や森の生活などのキーワードもすべて繋がった。素晴らしい本だ
読了日:12月27日 著者:山下博司
高山なおみのはなべろ読書記 (ダ・ヴィンチBOOKS)高山なおみのはなべろ読書記 (ダ・ヴィンチBOOKS)感想
読書感想文なのに、その後に必ず写真付きでレシピが出てくる。本を読んでご飯を作っていただく。それが生活なのかもしれない。高山さんの普段の生活が垣間見える本のセレクションとあまり手のかからない献立の感じが心地よい。そんな普通の暮らしにちょっとあこがれたりします(笑)
読了日:12月25日 著者:高山なおみ
吉本芸人に学ぶ 生き残る力吉本芸人に学ぶ 生き残る力感想
お笑い好きの人の間でも著者の本多さんを知っている人は少ないかもしれない。大阪のNSCの名物教官であり、現役の放送作家という人でもある。その人が見てきた芸人の生き残りについては、とにかく勘所をつかんでいることと努力に尽きるというつまらない結論ですが、要所要所に入ってくる人気芸人との対談が結構、普段は聴けないような赤裸々な芸人ロンや修業時代のエピソードが満載で楽しめる。最後に吉本の社長の大崎さんが出てくるんだけど、この人は蛇足だな
読了日:12月25日 著者:本多正識
模倣の経営学―偉大なる会社はマネから生まれる―模倣の経営学―偉大なる会社はマネから生まれる―感想
経営というのはつくづく模倣から入る守破離の世界などだと痛感する今日この頃。そんな時に我が意を得たりな本に出会えて驚いた。トヨタのかんばん方式にしろ、セブンイレブンのシステムにせよ、すべてはマネから生まれテリルのを具体的な例をあげながら詳説。なおかつ、その模倣のバリエーションについても単にまねるのか、反面教師にするのか、実は社内の横のセクションから真似ぶという手法もあるとまで紹介していて、確かに思い当たることばかり。素晴らしい現実と経営学の成果がマッチングした本でした
読了日:12月24日 著者:井上達彦
どうしてあの人はクリエイティブなのか?―創造性と革新性のある未来を手に入れるための本どうしてあの人はクリエイティブなのか?―創造性と革新性のある未来を手に入れるための本感想
様々な創造力で言われる俗信について、解説しつつそのどれをも捨てていくいわば、クリエイティブに王道なしを体現するような本。確かに、神から落ちてくるアイディアは元を正せば過去の体験や知見からの学びであろうし、孤高というのは創造において有効ではないというのはよくわかる。でもこの本には、セオリーは書いてあるが答えがないのが特徴。でもこの本を読むと自分のプラニングと照らし合わせることができる鏡のような本でもありました
読了日:12月24日 著者:デビット・バーカス
ここらで広告コピーの本当の話をします。ここらで広告コピーの本当の話をします。感想
芸術家のバイブルとして知られている本に「アートスピリット」という古典があるけど、この本も広告のコピーラーターや業界にいる人には、升とな本ではないだろう。内容は決して難しくないし、むしろ広告とは何ぞや、クライアントとはどういう関係であるのかと言った基本的かつ本質的なことについて、コピーの世界よろしく感情を揺さぶるようなワードの数々にぐっときてしまう。この熱き思いをクールな広告に落とし込む作業ってスゴい洗練の極みだと思う。ある種の凄みを感じてしまいました
読了日:12月24日 著者:小霜和也
画題で読み解く日本の絵画画題で読み解く日本の絵画感想
どうしても日本の展覧会に行くと目の前を素通りしてしまうのが水墨画や書の世界。どこか取っ付きにくいイメージがあったのだけれどこの本を読んでいたらその題材がもともとある中国の逸話も紹介していてかつて見たこともある作品も掲載。なるほどこの人は李白だったのかとか寒山拾得だったのかとかとにかく気づきが多かった。最近になってすごく白隠さんが再び気になったのだけれど、また彼の本を読み返すにつれ禅の世界観と中国からの水墨画の影響とか興味は広がるばかり。この本はいいお供になるようなわかりやすさだ。著者さんがいつも素晴らしい
読了日:12月24日 著者:佐藤晃子
部下を定時に帰す仕事術 ~「最短距離」で「成果」を出すリーダーの知恵~部下を定時に帰す仕事術 ~「最短距離」で「成果」を出すリーダーの知恵~感想
佐々木常夫さんが人気があるのが、課長という中間管理職での視点が多くの共感を読んでいるのだと思う。ワタクシもしかり。しかし読んでみると、その立場のみならず、実にオーナーシップを発揮していて自分のハンズオンで様々な職場の問題を解決していく様子は実践的な指南書としての意味はもちろん、中高年の希望の書ともなりうる傑作なのだと思う。先ほど紹介してオーケンが老子なら、佐々木さんの著書は孔子みたいなイメージ。まさに的を得た数々の金言は体得した身から出た本で、家族の世話をしながらの活躍ぶりはまさにスーパーマンのようでした
読了日:12月24日 著者:佐々木常夫
FOK46  突如40代でギター弾き語りを始めたらばの記 (単行本)FOK46 突如40代でギター弾き語りを始めたらばの記 (単行本)感想
文章で笑かすことのできる数少ないエンターティナーがオーケンだと思う。46にしてFOK46という弾き語りを始めてしまうオーケン。そこには、何かをしていなといられないという折り返しを迎えたおじさんの焦燥が伺い知れる。そこに出てくるのは、友人や家族の死の影だ。いつもの作品に比べてシニカルでちょっと笑えない部分も多いのだが、それをどこか笑い飛ばしてしまうようなやるせなさや、動かしがたい現実の中のおかしみみたいなものが見事に表現されていて、中年の悲哀をひしひしと感じさせるが読後感は悪くない。それが人間だもの(笑)
読了日:12月24日 著者:大槻ケンヂ
60年代アメリカ映画100 (アメリカ映画100シリーズ)60年代アメリカ映画100 (アメリカ映画100シリーズ)感想
このシリーズは順番にさかのぼっていますが60年代というアメリカにとっては怒濤の時代の映画を概観している。最初の文章で生井英考が当時の時代背景を前半と後半で「ポップ」と「ヒップ」という言葉で紹介してこの時代の表現の仕方としては中々的確だ何という指標がモノがしっかり見えてその後の作品詳解にも反映されている内容で過去のシリーズと比べてもじっくりと読むことができた。実際約50年が経過しても残っている映画はむろん名画ばかり。しかもプレ世代としてカサバティスのアメリカの影から始まるのが今の米国の位置を物語っているかも
読了日:12月24日 著者:
幸転力幸転力感想
この人の遅咲き、ショートカット、ちょっと天然に、計算高い感じも含め悪い印象ではないので読んでみる。やっぱり天然だし、どこかキムづかし伊キャラクターも結構面白い。意外とゴーストの人がうまく脚色しているので、その本音はオブラートに隠されているけど、ハングリーな一面が垣間見えるのが何とも面白い。どうりで実業家の夫と結婚したのかが氷解した内容。外見のソフトさにだまされると結構頑固な人なのだろう
読了日:12月24日 著者:吉瀬美智子
WHAT IS MODERN DESIGN?WHAT IS MODERN DESIGN?感想
デザインが人に与える印象を考える上でモダンデザインの潮流を抑えておくことは無駄ではないと思う。そんな、世界的なデザインの動向をモリスとかのアーツ&クラフト運動以降の流れを全般的に紹介しているこの本は実に実用的。判型も大きいし図版も多いので、これまで展覧会で見ていたカリフォルニアのデザインが何処からきているのか、ちょっとレトロでカラフルなフレンチタッチな風潮はスペースエイジだとか、なんだか色々気づきが多かった。バウハウスの流れもドイツとまたオーストラリアもあったりして芸術運動にも通じることなど学びが多い
読了日:12月24日 著者:LakshmiBhaskaran
つながった世界─僕のじゃがたら物語つながった世界─僕のじゃがたら物語感想
じゃがたらっていうバンドは自分にとって特別なので、その中心メンバーだったOTOさんのじゃがたら後もかなりフォローしていたんだけどいつのまにか、拠点を熊本に移していた理由とかがわかった。90年代の後半から環境やトランス的な人脈(?)にもコミットしていたから今のようなライフスタイルになっていたのはわかっていたけど、そのところどころにかつてのメンバーやノゲラさんとか近田さんとか懐かしい名前の数々が出てきていて何だかそわそわしてしまった(笑)。アケミとの衝突も客観的に書かれていて、色々なことがクリアになったわ
読了日:12月24日 著者:OTO,こだまたけひろ
つげ義春: 夢と旅の世界 (とんぼの本)つげ義春: 夢と旅の世界 (とんぼの本)感想
なぜこのタイミングでつげ義春がという疑問もないではないがこのねじ式の表紙で一発で手に入れる。この本は初心者のつげファン向けに書かれていてかなり親切。ねじ式に紅い花ゲンセンカン主人といった代表作も、写植が張られた状態までわかるカタチで掲載されているのはうれしい限り。久しぶりにつげワールドを満喫。中でも久々にシニカルなつげさんのロングインタビューはファンにとっても感激であります。そうそうこの辛気くさい感じが好きなのはつげ先生でありガロの洗礼を受けた10代の頃から変わっていないなあとちょっとほくそ笑んでしまった
読了日:12月19日 著者:つげ義春,戌井昭人,東村アキコ,山下裕二
シンガポール謎解き散歩 (中経の文庫)シンガポール謎解き散歩 (中経の文庫)感想
何年か前にシンガポールに行った時にたまたま入った「イメージオブシンガポール」という場所で日本の統治時代や、プラナカンの女性がまったく外出できないというひどい状況におかれていたのを知るにつれ、シンガポールの歴史にも興味がわいていましたが、このような文庫でわかりやすく解説してくれる本が皆無だったので非常に役に立ちました。都市国家だけにあまり見所は少ないと言えなくもないですが、周囲の自然やモニュメントにはそれぞれの時代の遺物も残されていてちょっと再訪したくなりました
読了日:12月19日 著者:田村慶子,本田智津絵
邸宅美術館の誘惑邸宅美術館の誘惑感想
表紙はニューヨークのフリッツコレクション。やっぱりフェルメールのコレクターとして、つい表紙にしたくなるのもわかるたたずまいの邸宅。巻頭は日本でも有名なバーズンズコレクション。印象派の圧倒的な世界が家の中のイメージを形作っている。特に20世紀はアメリカの世紀だっただけに、その頃に出現した成金層がコレクションに尽力したということなのかな。個人的にはものすごい蔵書の図書館もあるモーガン図書館と美術館もやっぱりニューヨーク。これは圧巻だわ
読了日:12月19日 著者:朽木ゆり子
「自分メディア」はこう作る! 大人気ブログの超戦略的運営記「自分メディア」はこう作る! 大人気ブログの超戦略的運営記感想
人気ブロガーのちきりんさんが書いてきたブログの繁盛記といったところか。ブログというのはかなり影響力が落ちてきている中で安定したクオリティとたまにきらりと光る内容があるちきりんさんはどんなペースで、ブログ書いているのかと思ったら意外とブログ用にそこまで仕込みもしていないし日記を書く習慣がなせる技というのはよくわかる。ブログって経験があるが継続するにはなかなか気合いがいるのだが、そんなことはなく飄々と続けるスタンスは素晴らしいな。その背景には行き当たりばったりながらセルフブランディングが不可欠ということなのか
読了日:12月19日 著者:ちきりん
復路の哲学ーーされど、語るに足る人生復路の哲学ーーされど、語るに足る人生感想
いつもの平川先生の本なので、隠居的な世界観のエッセイはいつもながらの安定のクオリティ。目新しさはない。巻頭には向田邦子について折々触れている。彼女の大人には秘め事がある。そしてしゃべらない。三波春夫、高峰秀子、そして喫茶店。思い出すエピソードは昭和の華やかなりし時代だ。そこに平川先生はもう一度着地点を見いだそうとしているのだろう。生まれた時代というのは、自分の思考のなかにべったりと拭えないカタチで息づいている。そんなことを思わせる随想が多かった印象
読了日:12月19日 著者:平川克美
あらゆる領収書を経費で落とす!  - 「金持ち社長」に学ぶ禁断の蓄財術 (中公新書ラクレ)あらゆる領収書を経費で落とす! - 「金持ち社長」に学ぶ禁断の蓄財術 (中公新書ラクレ)感想
税金のスペシャリストである大村さんの最新刊。まずは、法人化のメリットをおさえつつ、その具体的な私的な経費をいかに法人に肩代わりさせ節税するかというノウハウを紹介している。おそらくこの手の本って中小企業の社長さんでは、税理士なんかがアドバイスしているような話で「ほどほどにお願いしますよ」と指南しているようなことなのだろう。とりたてて目新しい訳でもないけれど、個々のエピソードを見ていると面白いものも散見。ただ、基本的には儲かっている場合か、本人と奥さんのファミリービジネスのような法人向きなのかな
読了日:12月19日 著者:大村大次郎
和食いちねんせい和食いちねんせい感想
イラストが可愛らしいですが、和食の持つ季節感や旬の食材を紹介しつつ、レシピも書いているありがたい本。結構、レシピは和食ならではの手間のかかるものも多いけど、チャレンジしてみたい。食材の切り方の解説は個人的にちょっと我流な部分もあったので再確認できてよかったかも。筑前煮とか、根菜を使った料理がもうちょい時短で作れればいいんだけど…
読了日:12月16日 著者:検見ア聡美
閉じる幸せ (岩波新書)閉じる幸せ (岩波新書)感想
老境を迎えるとビジネスの最前線で働いている人はどうするのか? 残間里江子さんといえば、百恵チャンの本のプロデューサーとかザ・芸能界な人で登場する人たちもそんなような人ばかり。閉じるというよりむしろ現役ばりばりな人が多いんだけど、残間さんのモードは親の介護もあって、徐々に閉じてくというイメージ。行動半径を少し狭める部分の快適性があってもいいんじゃないのか。でもそんなものかなとおもうんだけど、どこかバブルを懐かしむ成金親父の哀愁みたいなものを感じるのも面白いな
読了日:12月14日 著者:残間里江子
情報を捨てるセンス 選ぶ技術情報を捨てるセンス 選ぶ技術感想
結構分厚い本なんだけど、言っていることは至ってシンプル。専門家の言うことを真に受けすぎず、現場主義にせよ。その現場主義にも限界があるとか、数字の根拠の背景にあるものは何か。面白いところではパワーポイントでプレゼンされると信じ込んでしまうというのもある。この辺りの話のエピソードは面白いのでぜひ本書で確認するといいだろう
読了日:12月14日 著者:ノリーナ・ハーツ
フルサトをつくる: 帰れば食うに困らない場所を持つ暮らし方フルサトをつくる: 帰れば食うに困らない場所を持つ暮らし方感想
世の中が流動化する中で、自分の生活拠点を複数持つというライフスタイルの提案。古い空き家のリフォームなんかの話や新しい仕事の概念を自給力として、今までの組織優先の発想からエスケープしているのもなかなか痛快だ。でもそうなると、二つの場所を持つことの意味というのはあるのかな。都市と田舎を行き来するのではなく、田舎から都会を旅するような感覚の方が、より生活拠点として、活用できる気がするのはなぜか。人生の楽園は田舎にあるのかということなのだけどむしろ答えは後半にある「ゆるいつながり」にあるのだろうなと堂々巡り(笑)
読了日:12月11日 著者:伊藤洋志,pha
細野晴臣 とまっていた時計がまたうごきはじめた細野晴臣 とまっていた時計がまたうごきはじめた感想
震災以降のインタビューをまとめたもので、定点観測をしている盟友(後輩)の鈴木さんが聞き手だから実にリラックスした雰囲気で終始読めます。でも考えれば、震災があり、大瀧詠一さん他にも近しい方が亡くなりつつも、細野さんの音楽への探究は飽きることなく(映画もあいかわらず詳しい)続く。隠居や老年学みたいなものに興味は尽きないけれど、淡々とこなす境地は、音楽家としての理想でもあり、老境としての一つのありようだなと痛感した。アートスピリッツと隠居がクロスオーバーする細野さんにリスペクトが止まらないのもそんな理由からかな
読了日:12月10日 著者:細野晴臣,鈴木惣一朗
元気の源 五体の散歩元気の源 五体の散歩感想
外山先生と言えば、最近は「散歩の達人」のイメージも強い。そんな版元のオファーからちょっと強引なタイトルの本が出た。単なる散歩のみならず、口の散歩とか耳の散歩とか、ちょっと強引(笑)。でも先生の散歩で頭がシャープになるという言葉には影響を受けて、ついウォーキングをしてみたら、頭のモヤモヤしていた思考がかなりクリアになるのは先生のおかげだ。しかも今や90代の先生にとってひとつひとつの行動が新しい道なる自分の発見でもあって、むしろ散歩よりも旅なのかもしれないなと思う。家事も自分でこなすってスゴい
読了日:12月10日 著者:外山滋比古
老いの味わい (中公新書)老いの味わい (中公新書)感想
80代を迎えた作家の身辺雑記であるけれど、80代の経験や意見を追体験というか、いち早く、この本で知りうることができる。目が見えない。転倒への恐怖だったり、物忘れにおっくうになる自分の思考ーー。この本を読んでいくと自分が景色そのものに溶け込んでいく能のシテの人の世界観とも似ているのだなあと思う。まあ、そんなかっこいいものでなく、徐々に自分の若さが失われていくということヒューマンエラー連発という話なのだけど、どこか飄々としていて最近の個人的な「老後本ブーム」の中ではノンフィクションのみならずエッセイとして満喫
読了日:12月10日 著者:黒井千次
ポップ中毒者最後の旅: 2008~2012ポップ中毒者最後の旅: 2008~2012感想
サブカル界の守護神だった川勝さんが亡くなられていく年月だろうか。最後の本が出てもいきなりのデニスホッパーへの偏愛にデビットリンチあたりはいつもと変わらない。サブカルってのは常にはやりを追いかけていく事象かと思っていたんだけど、そうではなくみうらじゅんさんいわく「サブカルというのは世代」と論破していたようにある時代のポップカルチャーを反駁しながら、ぐるぐると堂々巡りをする過程なのかもしれないとこの本を読んでいて面白い。老境にさしかかりつつある中で親父とは何かズルムケ感を尋ねた旅は天国でも続いているのでしょう
読了日:12月10日 著者:川勝正幸
美術、応答せよ!: 小学生から評論家まで、美と美術の相談室 (単行本)美術、応答せよ!: 小学生から評論家まで、美と美術の相談室 (単行本)感想
目を覚まさせられたような本。美術の持つ「社会と独白の間にある物語」という言葉にははっとさせられた。そうなのだ、美術や文化は人が行きていく上では必要ないということも言えるが、その個人の表明が共感を呼び、受け継がれていく。そして時空も超えていくという行為はなんともいとおしい。また、画家の評価がその場で認められるかどうかは、それぞれの作品の評価が定まるのはいつの時代かわからない。それゆえに失敗作というのはないというのも何とも痛快だし、真摯な美術への向き合い方にとても共感しました
読了日:12月6日 著者:森村泰昌
なぜ芭蕉は至高の俳人なのかなぜ芭蕉は至高の俳人なのか感想
そもそも俳句は五七五だということぐらいしか、わからない私のような人にはうってつけの内容。中でも芭蕉が俳諧を確立していく過程で詠んでいる俳句が洗練されていくプロセス自体を明らかにしていく構成は、素人でも感嘆してしまうほど。しかも紀行文と言われた芭蕉の作品のほとんどは文章でなく、俳句にその心象風景すべてを捧げているという潔さにも舌を巻くばかり。おそるべし芭蕉の世界を知る上での最良のテキストと言えそう
読了日:12月3日 著者:大輪靖宏
リスクに背を向ける日本人 (講談社現代新書)リスクに背を向ける日本人 (講談社現代新書)感想
いやはや、これまで気になっていた山本七平の「空気の問題」も結局は、社会的ジレンマの問題のと参照してみると共通点があることを指摘していて面白い。いわゆるデフォルト理論というやつなのだそうだが、その中身もあることながら、現代の若者の引きこもりやニートなんかも社会の側に問題がある。しかもそれが日本の成長の神話から構造転換できていないという現実を突きつけていて興味深い対談でありました
読了日:12月3日 著者:山岸俊男,メアリーC・ブリントン
小林カツ代のおいしいがいちばん! ~カツ代さんが愛したレシピ51~小林カツ代のおいしいがいちばん! ~カツ代さんが愛したレシピ51~感想
今年お亡くなりになった小林カツ代さんは、時短レシピの元祖として家庭料理もさることながら、ちょっとした懐かしい昭和のイメージが残る文章もまた楽しくなるので手に取ってしまう。子育ての中にあるちょっとしたランチ会なんかのエピソードや近所の主婦の人の手料理がその人のパーソナリティにも現れていたり「食は人なり」という言葉を思い出してしまいました。こういうほのぼのとした家庭の雰囲気を残した料理研究家の人がいなくなってしまってつくづく残念です。レシピもカップラーメンまで出てきてやっぱり時間のない人には親切なのもうれしい
読了日:12月2日 著者:小林カツ代
部下を持ったら必ず読む 「任せ方」の教科書  「プレーイング・マネージャー」になってはいけない (ノンフィクション単行本)部下を持ったら必ず読む 「任せ方」の教科書 「プレーイング・マネージャー」になってはいけない (ノンフィクション単行本)感想
ライフネット生命の出口さんの本の読後感がいいのははったりをかまさないところなのだと思う。それはこの中でも健在で部下から「出口さん、アホですか」と指摘されること多数。でも現場で養われた権限と責任の話は、うわっつらのコンサルの経営論よりも数段上だ。中でも参考になったのは、任せるということのありようで、日本生命時代の例を挙げながら解説しているが、これは結局、管理職は自己管理からというのと同じこと。あと、優れた上司は部下を忙しくすることが仕事とか、何かとメモりたくなるような金言が多数。装丁がださくてちょっと残念
読了日:12月2日 著者:出口治明
霊と金―スピリチュアル・ビジネスの構造 (新潮新書)霊と金―スピリチュアル・ビジネスの構造 (新潮新書)感想
統一教会や神世界などの霊感商法やスピリチュアルを用いた教材商法なんかについても怪しいビジネスの正体を明らかにしていく。その大きなうねりには明治以降に誕生した新宗教に求めていて手かざしなどの奇跡や神秘などが今の様々なビジネスに結びついているという。この本の白眉はやはりスピリチュアルと貧困ビジネスの結びつきについて言及している点だろう。占いビジネスなどでもその顧客の収入についてのマーケティングなどから貧困層に広がりを見せているという。世の中の大半は貧困みたいなものだからそれだけ蔓延しているということだろう
読了日:12月2日 著者:櫻井義秀
社会的ジレンマ―「環境破壊」から「いじめ」まで (PHP新書)社会的ジレンマ―「環境破壊」から「いじめ」まで (PHP新書)感想
山岸さんの著書は以前にも糸井重里さんがおすすめしたこともあって読んだんだけど、その時は90年代に出版された本で、まだこの社会心理学のジャンルも過渡期にあったようで、その後の学術的な成果についてもかなり盛り込まれている。その内容は、いわゆる行動経済学で言う「囚人のジレンマ」の話で、いかに相手と信頼関係を構築するかという戦略が正しくもあり様々な要因が複雑に加わると条件が変わったりという実験と人間の行動の源泉にあるのは、知識なのか感情なのかというところにまで及ぶ。何気に組織の問題に言及していてこれには大いに同感
読了日:12月2日 著者:山岸俊男
日本人はなぜ美しいのか (幻冬舎新書)日本人はなぜ美しいのか (幻冬舎新書)感想
日本人の美には、禅からの影響があることを示しつつ、美しい所作や引き算の美学、崩しや未完成の美みたいなものまで言及している。体系的な内容ではないが、流れていくような文章が印象的できっとライターさんのまとめ方が良いのかな。よみやすくて心安らぐ本でありました
読了日:12月2日 著者:枡野俊明

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